
「WordPressはもう古い」
最近、そんな記事や投稿を見かけることが増えました。
WordPressはセキュリティが危ない。プラグインの管理が大変。
今から作るならNext.jsやヘッドレスCMSのほうがいい。
こういう話を読んでいると、
「うちのサイトもWordPressだけど、大丈夫なのかな」
と不安になる方もいると思います。
ただ、制作会社として先に言ってしまうとWordPressをやめるべきかどうかは記事を読んでも分かりません。
答えはもっと身近なところにあります。
サイトの管理画面です。
実際にWordPressを使っているならそこを少し見てみてください。
この記事では「WordPressは古いからやめましょう」という話はしません。
今のサイトをそのまま使っていいのか。
そろそろ作り直したほうがいいのか。
その判断をするために、実際にどこを見ればいいのかを順番にお話しします。
まずプラグインの一覧を開いてみてください
WordPressの管理画面に入って、「プラグイン」の一覧を開きます。
ここで最初に言っておきたいのは、プラグインの数が多い=悪いサイト、ではありません。
5個だから安全、20個だから危険、という単純な話ではないです。
問題なのは、
「このサイトに何が入っていてそれを誰が管理しているのか分かっているか」
ということです。
制作会社に作ってもらったサイトなら、自分では入れた覚えのないプラグインが並んでいるかもしれません。
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サイトを作ったときにはそれぞれ必要だったのでしょう。
でも、数年経つと状況が変わります。
当時必要だったプラグインが今も必要とは限りません。
サイトをリニューアルしたのに古いプラグインだけ残っている。
使っていない機能なのに削除されていない。
誰が何のために入れたものなのか、社内の誰にも分からない。
こうなってくると、数そのものよりも「管理できていない部品が増えていること」が問題になります。
赤い数字はもう少し気にして見てください
プラグイン一覧に、更新を知らせる赤い数字が出ていないでしょうか。
1つ、2つなら、それだけで慌てる必要はありません。
ただ、何個も溜まっているなら一度立ち止まったほうがいい。
プラグインは、WordPress本体とは別のソフトウェアです。
それぞれ別の開発者や会社が作っています。
だから、あるプラグインに問題が見つかればその開発者が修正版を公開する。
利用している側はそれを適用する。
これを繰り返します。
つまりプラグインが増えるほど、
「更新するもの」
「相性を確認するもの」
「動作を確認するもの」
が増えていきます。
ここがWordPressの面倒なところです。
WordPressそのものが悪いというより、便利に機能を追加できる仕組みだからこそ管理する対象も増えやすい。
この違いは結構大事です。
私がこの問題を本気で考えるようになったのは実際に事故が起きてからでした
以前、私たちが管理していたサイトで実際にトラブルが起きました。
ある日サイトを確認すると、海外の見知らぬサイトに転送される。
ところが普通にサイトを開いただけではその症状が出ませんでした。
管理画面も普通に動く。
サイトの見た目も、一見するといつもどおり。
だから最初は何が起きているのか分かりませんでした。
調べていくと、プラグインの脆弱性をきっかけに侵入された可能性が出てきました。
そして、さらに厄介だったのがその後です。
侵入者が残した処理を削除してもしばらくすると同じような処理が復活する。
つまり見つかったものを消せば終わりという状態ではありませんでした。
どこかにまだ入口が残っている。
でも、それがどこなのか分からない。
サイトのファイルを一つずつ確認し、書き換えられている場所を探す。
削除する。
しばらく様子を見る。
また現れる。
これを繰り返しました。
結局、原因を追いかけるだけでかなりの時間がかかりました。
一番怖かったのはサイトが「壊れていなかった」ことです
この経験をして、私はWordPressの怖さについて少し考え方が変わりました。
サイトが真っ白になったりエラー画面になったりすれば誰でも異常に気付きます。
でも、そうならない場合があります。
管理者から見るといつもどおり。
会社の人が確認してもいつもどおり。
それでも、訪問者にだけ違う動きをしている可能性がある。
これが厄介です。
しかもサイトを直したからといって「これでもう大丈夫です」と簡単には言えない。
どこから入られたのか。
何を書き換えられたのか。
ほかに何を触られているのか。
再侵入できる場所が残っていないか。
そこまで確認しないと、本当の意味で復旧したとは言いにくいからです。
ここで初めて、
「便利に機能を追加できること」と「長期間安全に管理できること」は、別の問題なんだな
と実感しました。
あなたのサイトでもまず「管理できる状態か」を見てみてください
ここで一度、あなたのサイトに戻ります。
プラグイン一覧を見て、「これは何のためのもの?」と分からないものがありませんか?
更新通知が何個も溜まっていませんか。
何年も前から使っているのに、誰が管理しているのか分からないものはありませんか。
制作会社との保守契約があるなら、
「これ、全部何をやってくれているんだろう」
と思ったことはないでしょうか。
このあたりが実はかなり重要です。
WordPressを使い続けること自体が問題なのではありません。
自分たちが管理できない状態のまま、何年も使い続けることが問題です。
保守費用は「何をしてもらっているか」まで見てみる
もう一つ確認してほしいのが、保守契約です。
請求書や契約書を一度見返してみてください。
「WordPress保守」
「セキュリティ対策」
「バックアップ」
「プラグイン更新」
「監視」
そんな項目が並んでいないでしょうか。
もちろんこれらが不要だと言っているわけではありません。
むしろWordPressを安全に運用するなら必要な作業もあります。
ただ、毎月いくら払って何をしてもらっているのか。
ここは一度ちゃんと確認したほうがいいです。
例えば月額5万円なら、年間では60万円です。
月額52,000円なら、年間624,000円になります。
これを「高い・安い」だけで判断する必要はありません。
重要なのは、その金額で何が維持されているのかです。
更新をしてくれているのか。
バックアップを取っているのか。
障害が起きたときに復旧してくれるのか。
不正アクセスがあった場合の調査まで含まれているのか。
それとも、毎月プラグインを更新しているだけなのか。
ここが分からないまま、
「昔から契約しているから」
という理由だけで払い続けているケースは、一度見直してもいいと思います。保守費の月額に何が入っているのかは、別の記事で内訳を開いています。
では、WordPressをやめたほうがいいのか
ここまで読むと、
「じゃあWordPressはやめたほうがいいんですね」
と思うかもしれません。
私はそうは思っていません。むしろWordPressのままでいい会社はかなりあります。
例えば、
- 更新する人がWordPressの操作に慣れている
- プラグインが整理されている
- 更新やバックアップの担当が決まっている
- 保守の内容を把握している
- 今のサイトに特に不満がない
こういう状態なら無理に作り直す必要はありません。
WordPressは今でも非常に成熟したCMSです。
長く使われているからこその情報量もありますし、対応できる制作会社も多い。
「古いから」という理由だけで捨てるのは少し乱暴です。
では、どういうときなら動く価値があるのか。
乗り換えを本気で考えるべきタイミングは5つに絞れます。当てはまらないなら、今は急がなくて大丈夫です。
問題は「古いかどうか」ではなく「今の運用に合っているか」
逆に、こんな状態なら話が変わります。
サイトを作った人がもう会社にいない。
プラグインが何のために入っているのか分からない。
更新するとサイトが壊れそうで触れない。
保守会社に任せきりで何をしているのか分からない。
毎月それなりの金額を払っているのに、何が含まれているのか説明できない。
サイトを更新したいのに、ちょっとした修正でも制作会社に依頼している。
こうなっているなら、
「WordPressが古いから」
ではなく、
「今のサイトの作り方と運用方法が、会社に合わなくなっている」
と考えたほうがいいと思います。
私たちはWordPressをやめました
私たち自身も、WordPressを使うことをやめました。
きっかけになったのは、先ほどのトラブルです。
もちろん、あの事故だけが理由ではありません。
長くサイトを運用していく中で、
「そもそも、毎回これだけ管理する必要があるのだろうか」
という疑問が大きくなっていきました。
例えば、お客様が自分で変更したい場所は、それほど多くありません。
お知らせ。
料金表。
メニュー。
スタッフ紹介。
施工事例。
ブログ。
会社によって多少違いますが、だいたいこのあたりです。
では、それ以外の部分まで自由に管理画面から変更できる必要があるのか。
私たちはそこに疑問を持つようになりました。
「何でも更新できるCMS」ではなく「必要なところだけ更新できるCMS」
私たちが今のサイト制作で重視しているのは、「お客様が何でも触れること」ではありません。
「必要なところだけ、自分で触れること」です。
例えば料金表は自分で変更できる。
お知らせも自分で追加できる。
スタッフ紹介も更新できる。
でも、サイト全体のレイアウトや重要な部分まで管理画面から自由に変更する必要はない。
そのほうが、運用する側も迷いません。
そして、制作側も余計な機能を追加しなくて済みます。
結果として、サイトを構成する部品そのものを減らせます。
これは、単に「WordPressより新しい技術を使っています」という話ではありません。
最初から管理し続けることを前提にサイトを設計する。
私たちはそこを重視しています。
「安いから乗り換える」ではありません
私たちのCMS導入プランは、初期50,000円、月額5,000円です。
初年度は110,000円。
2年目以降は年間60,000円です。
なお、サーバー代とドメイン代は別になります。このあたりの実費まで含めて、契約前に総額でお見せしています。
WordPressの保守費用と比較すると、安く感じるかもしれません。
ただ、ここを単純に「うちのほうが安いです」と言うつもりはありません。
サイトを作り直すには当然、制作費がかかります。
今のWordPressサイトが問題なく動いているなら、わざわざ作り直すほうが高くつくこともあります。
だから、
「保守費が高いから乗り換える」
ではなく、
「このサイトをあと3年、5年使うことを考えたとき、今の仕組みのままでいいのか」
で考えてほしいと思っています。
最後に一度だけ管理画面を見てみてください
「WordPressはもう古い」という記事を読んで不安になったら、いろいろな記事を読み漁る前に、一度自分のサイトを見てみてください。
プラグインはいくつ入っていますか。
何のために入っているか、全部説明できますか。
更新通知は溜まっていませんか。
誰が更新していますか。
バックアップはどこにありますか。
サイトに問題が起きたとき、誰に連絡すればいいですか。
そして、
今の保守費用で、具体的に何をしてもらっているか説明できますか。
ここまで答えられるなら、WordPressをやめる必要はないかもしれません。
逆に、ほとんど答えられないのであれば、考えるべきなのは「WordPressが古いかどうか」ではありません。
自社のサイトをこの先も安心して管理できる状態なのか。
そこです。
私たちはWordPressをやめました。
でも、WordPressを使っている会社に「やめたほうがいい」と言いたいわけではありません。
実際、今のままで問題なく運用できているなら、そのままでいいと思っています。
ただ、
「更新するのが怖い」
「何が入っているのか分からない」
「保守費用を払い続けているけど、何をしてもらっているのか分からない」
そんな状態なら、一度立ち止まってもいい。
作り直すかどうかを決めるのはそのあとです。
私たちもいきなり「リニューアルしましょう」とは言いません。
まず今のサイトを見て何が問題なのか。
本当に作り直す価値があるのか。その判断から一緒に考えています。
まだ「作り直したい」まで決まっていなくても大丈夫です。
「このまま使い続けていいのか分からない」



