CreavePlus
2026.08.04ECサイト

「10万円以内でECサイトは作れますか?」の質問に制作会社が本音で答えてみた

AUTHORCreavePlus 合同会社READ5分
「10万円以内でECサイトは作れますか?」の質問に制作会社が本音で答えてみた

先に答えを言いますが作れます!ただしその予算なら、制作会社に頼まずに、です。

私はECサイトの見積もりを作る側の人間です。その立場から言うと、10万円以内という予算で制作会社が提供できるものはほとんどありません。

一方で、BASEやSTORESを使えば月額0円からネット販売を始められます。

この記事では、10万円で実際にできることを金額つきで示します。そのうえで、制作会社に頼むとなぜ金額が膨らむのか、それでも頼んだほうがいいのはどんなときかを、見積もる側の本音で書いていきます。

多くのお店は制作会社に頼まなくていい

最初に一番大事なことを書きます。商品を並べて売るだけなら、制作会社は要りません。

BASE、STORES、Shopifyといったサービスは、ネット販売に必要なものをひと通り備えています。商品ページ、カート、クレジットカード決済、注文管理。どれも管理画面から自分で設定できます。デザインもテンプレートから選べば、十分きれいなお店になります。

制作会社の立場でこれを書くのは変に見えるかもしれません。ただ、10万円の予算で無理に制作会社を入れると、中途半端なものにお金を使うことになります。それなら既製のサービスで始めて、売れてから次を考えるほうが健全です。実際、うちに相談いただいた場合でも、内容によっては既製サービスをおすすめしています。

10万円でできること。実際の金額で見る

2026年8月時点の各社公式の料金です。

サービス

初期費用

月額

決済にかかる手数料

BASE スタンダード

0円

0円

3.6%+40円 + サービス利用料3%

STORES フリー

0円

0円

5.5%〜

STORES スタンダード

0円

3,300円(年契約・税込)

3.6%〜

Shopify ベーシック

0円

4,850円(月払い)

カード3.55%〜

たとえば月に10万円売れた場合、BASEスタンダードなら手数料はおよそ7,000円弱。STORESフリーなら5,500円です。月商が15万〜20万円を超えたあたりから、月額を払って手数料の低いプランにするほうが得になっていきます。

つまり、道具代はほぼかかりません。10万円の予算があるなら道具ではなく別のところに使えます。優先順位ははっきりしていてまず商品写真です。

ネットではお客さんは商品を手に取れません。写真が売上を一番左右します。プロに撮影を頼んでも数万円で収まることが多く、テンプレートのデザイン差よりずっと効きます。残りはロゴや、後述する表記まわりの整えに回せば十分です。

制作会社に頼むとなぜ50万円を超えるのか

では制作会社にECサイトを頼むと、なぜ数十万から百万円を超える金額になるのか。見積もりを作る側として、何を積んでいるかを説明します。

大きいのは、ゼロから起こす作業です。お店の話を聞いて要件をまとめる。デザインをテンプレートではなく専用に作る。決済や送料のルールを組み込み、実際に注文して動作を確かめる。

これらはすべて人の作業時間で積み上がります。テンプレートを使わないという選択が、金額のほとんどを説明します。

だから「10万円で作ってほしい」と言われたら、制作会社は受けられません。受けている会社があるならこの工程のどれかを大きく削っています。

それは多くの場合、既製サービスに設定を流し込むだけの作業です。自分でできることにお金を払うことになります。

それでも頼んだほうがいいのはこういうときです

境界線は予算ではありません。やりたいことが既製サービスの枠を出ているかどうかです。 具体的には次の3つです。

商品や注文の管理が、管理画面で回らなくなったとき。 商品数が多い、型番や在庫の組み合わせが複雑、卸と小売で価格を分けたい。こうなると既製の管理画面では手作業が増え続けます。

ECの外とつなげたいとき。 店舗の予約と通販をひとつにしたい、LINEで再来店のお知らせを送りたい、といった場合です。

販売だけでなく来店やリピートまで含めて考えるなら、LINEミニアプリのような選択肢も含めて設計する必要があります。

見た目と世界観が、価格に直結する商材のとき。 作家ものや高価格帯のブランドでは、テンプレートの見た目が商品の価値を下げてしまうことがあります。この場合はデザインへの投資が回収できます。

この3つのどれかに当てはまるなら、既製サービスの外に出る価値があります。当てはまらないならまだ頼むときではありません。

うちのECサイト構築も、この境界線を越えた店のためのものです。

自分でやる場合につまずきやすいところ

最後に、既製サービスで始める人がつまずきやすい点を挙げておきます。見積もりの相談で話題になることが多い順です。

特定商取引法の表記。 ネット販売では事業者名や所在地などの表記が原則必要です。自宅で運営する場合にどう扱うかは、各サービスの設定と最新のルールを開店前に確認してください。

送料の設定。 送料を安く見せて商品代に乗せるか、実費でもらうか。ここの設計次第で利益が数%変わります。梱包材の実費も忘れがちです。

手数料込みの値付け。 決済手数料は売上から引かれます。5%前後を最初から価格に織り込んでおかないと、売れているのに残らない状態になります。

開店しても、人は来ない。 ECサイトは公開した日からお客さんが来るものではありません。SNS、既存のお客さん、店頭。どこから人を連れてくるかは、サイトを作る前に決めておく話です。

判断に迷ったら

10万円以内でECを始めること自体は今日からできます。迷うのはむしろ「自分の店は境界線のどっち側か」のほうだと思います。

作る・作らないの前の、その判断の段階で聞きたいことがあれば、お問い合わせからご連絡ください。既製サービスで足りるなら正直にお答えします。

RELATED