
Aで直した。冒頭4段落を見出しの外に出して、1本目の見出しを費用の話に戻してある。変更はそこだけで、文章は触ってない。
サイトを公開してしばらく経つと、「ここも自分で直したい」が出てきます。トップの写真、スタッフの紹介、料金の表。作ったときは気にしていなかった場所ほどあとになって気になります。
そして多くの場合そこは自分では直せません。制作会社に連絡して、内容を伝えて、数日待つ。請求書が届く。
運が悪かったわけではありません。どこを自分で直せるようにするかはサイトを作るときに決まっています。決め方を変えれば、この請求はほとんど無くせます。
何をよく直すことになるかは業種によって違います。この記事では建築・工務店、クリニック、飲食、アパレル・小売、士業の5つで見ていきます。
「ちょっと直して」が積み上がる
軽微な修正を外注すると、1回あたり5,000円から2万円ほどが相場です。最低料金を5,000円前後に置く制作会社が多く、文字を1行変えるだけでも同じ金額がかかります。
月に1回頼むだけでも、年に12回ぶんの請求になります。ここに保守費が別で乗ります。WordPressで作られたサイトだと、保守と更新を合わせて年60万円を超えることもあります。
金額そのものより、直したいのにすぐ直せないことのほうが困る場面もあるでしょう。セールの告知も、臨時休業のお知らせも、来週では遅い。
自分で直せる場所は、作るときに決まっている
CMSを入れれば全部が自由に直せると思われがちですが、そうではありません。制作会社は「ここを自分で直せるようにする」という場所を、ひとつずつ用意しています。用意していない場所は、あとから触れません。
お知らせの投稿だけが自分で直せて、トップの写真は直せない。よくある状態です。用意されていない場所を直すには、作り直しに近い作業が要ります。だから追加費用になります。
つまりあとから来る請求の大半は、どこを自分で直せるようにするか決めた時点で決まっています。
よく直す場所は、業種によって違う
何を一番よく直すことになるかは、サイトが何のためにあるかで変わります。
業種 | サイトの役割 | よく直す場所 |
|---|---|---|
建築・工務店 | 事例で信頼を作る | 施工事例 |
クリニック | 情報を正確に届ける | 症例・休診案内 |
飲食 | 来店を決めさせる | 営業時間・メニュー |
アパレル・小売 | 商品を売る | 新商品 |
士業 | 依頼先として選ばれる | 担当者情報 |
建築・工務店
施工事例がサイトの中心になります。完成するたびに1件ずつ増えていくので、年に何棟建てるかがそのまま更新回数になります。
事例には写真が複数枚、施工内容の説明、場所や工法が付きます。項目が多いぶん、外注すると1件あたりの費用も大きくなりがちです。事例が半年増えていないサイトは、見る側に「最近仕事がないのか」と受け取られます。ここを自分で直せないと、完成のたびに依頼が発生します。
クリニック
診療時間、休診のお知らせ、医師の紹介、治療内容の案内。動く頻度は建築ほど高くありません。かわりに間違えたときの実害が大きい業種です。
臨時休診を出し遅れれば患者さんが来てしまいます。診療時間が古いままなら来られたはずの人が来ません。感染症の流行や急な体制変更は当日に出せないと意味がなくなります。頻度は低くても、すぐ出す必要がある場所は自分で直せるようにしておく価値があります。
飲食
営業時間とメニューが中心です。臨時休業や時短は当日に出せないと役に立ちません。天候や仕入れで急に変わることもあります。
メニュー改定は少し厄介で、価格がトップページ、メニューページ、お知らせと複数箇所に散っていることがあります。1か所直しても他が古いまま残ると来店した人との認識がずれます。自分で直せるようにする場所を決めるときは、同じ情報がどこに出ているかもあわせて確認しておくと安全です。
アパレル・小売
新商品の発信が最も頻度の高い更新です。シーズンごとに商品が入れ替わり、そのたびに写真も説明文も変わります。
この頻度を外注で回すのは現実的ではありません。1回5,000円の修正が月に何度も発生します。ここは迷う場所ではなく、自分で直せるようにする前提で作る場所です。ただし在庫や決済まで扱うなら、更新の話とは別の作りが必要になります。
士業
担当者の紹介、対応できる業務、料金表。動く頻度は5業種のなかで最も低い部類です。
かわりに、動くときはまとめて動きます。人が増えた、資格が増えた、料金を改定した。こうした変更は複数のページにまたがることが多く、1ページだけ直しても古い情報がどこかに残ります。年に1、2回しか発生しないなら、頼んで済ませるという判断もあります。
やることは単純で、一番よく直す場所を先に決めてそこを自分で直せるようにしてほしいと伝えるだけです。「全部自由に更新したい」と伝えるよりはるかに効きます。
CreavePlusのCMS導入は初期¥50,000、保守は月¥5,000から。初年度で¥110,000、2年目以降は年¥60,000です。
よく直す場所を自分で直せるようにしておけば更新のたびの請求は発生しません。
修正を1回頼むと5,000円。月1回で年6万円かかります。同じ金額で、いつでも自分で直せる状態が持てます。
いまのサイトはどこまで自分で直せるか
自分のサイトがどこまで直せるかは今日のうちに確認できます。3つだけ手を動かしてみてください。
ひとつめは、管理画面にログインすることです。制作会社からIDとパスワードを受け取っているはずなのでそれで入ります。受け取っていない、あるいはどこにあるか分からないなら、その時点でほとんど直せないと考えて構いません。
ふたつめは、管理画面で編集できる項目を数えることです。お知らせだけが並んでいるのか、トップの写真や事例も出てくるのか。ここに出てこない場所が、自分では直せない場所です。
みっつめは、直近1年で制作会社に頼んだ修正を書き出すことです。メールや請求書を見返すと出てきます。
この2つを突き合わせます。頼んだ内容が管理画面に見当たらないなら、そこが毎回請求になっている箇所です。 数と金額が出れば、作り直しで回収できるかどうかも判断できます。
よくあるのは、お知らせの投稿だけが直せて、それ以外が全部直せない状態です。この形だと、日々の更新はできるのに肝心のよく直す場所には手が届きません。
全部を自分で直せるようにしなくていい
ここで逆のことを言います。自分で直せる場所は、多いほどいいわけではありません。
ひとつは費用です。直せる場所を増やすほど、その作業が初期費用に乗ります。年に1回しか触らない場所を用意しても、その費用は回収できません。
もうひとつは壊れることです。見出しの文字数が変われば折り返しが崩れます。写真の縦横比が揃わなければ並びが乱れます。自分で直せる場所はそのぶん自分で壊せる場所でもあります。
年に何度も触る場所は自分で直せるようにする。年に1回の場所は頼む。この線引きができていれば更新の請求は自然に減ります。
決めておいた効果
よく直す場所が自分の手元にあると告知は当日に出せます。新しい施工事例も、メニューの改定も、思い立った日に反映できます。制作会社に連絡するのは年に数回、大きく変えるときだけ。
さきほど書き出した「毎回頼んでいる箇所」が3つ以上あるなら、作り直しで回収できる可能性が高いです。何をどこまで自分で持つか、そこから一緒に決めます。



