2026.10.07社内DX・AI活用

口コミ返信をAIに書かせていい?店舗オーナーが気をつけたいこと

AUTHORCreavePlus 編集部
この記事の目次

この記事は、飲食店や美容サロン・クリニックなどのオーナーに向けて書いています。Googleマップの口コミに返信したいけれど手が回らず、「AIに下書きさせてもいいのかな」と迷っている方です。

AIに任せてよいところと人が見ておきたいところを、制作会社の立場から本音でお答えします。

口コミ返信にAIを使う人が増えている理由

Googleの口コミ(Googleビジネスプロフィールに投稿されるクチコミ)は、お店を探す人がよく目にする場所です。返信があるかどうかでお店の印象が変わると感じている方も多いと思います。

一方で、営業しながら1件ずつ文章を考えるのは大変です。そこで登場しているのが、AIに返信の下書きを作ってもらう方法です。

2026年6月には、GoogleのAI「Gemini」のアプリからビジネスプロフィールを管理できる機能が発表されました。最近の口コミについて頼むと、内容に触れた返信の下書きを作ってくれると報じられています(出典:Search Engine Journal・訪日ラボ)。お使いの環境で今すぐ使えるかは、時期や画面によって異なる可能性があります。

ChatGPTなどのAIに口コミを貼り付けて、返信文を考えてもらっている方もいるでしょう。

結論:下書きはAIに任せて送信は人がする

私たちの答えはシンプルです。下書きをAIに作ってもらうのは、よい使い方だと思います。ただしそのまま送らず、毎回人が読んでから送るのがおすすめです。

先ほど紹介した海外メディアの記事にも、同じ趣旨の注意が書かれています。AIが作った返信でも公開されればお店の言葉として扱われるので、1件ずつ読んでから出すべきだというものです。

Googleの説明によると、返信は「オーナーからの返信」として表示されます。投稿した人にも、返信が届いたことが通知されます(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。つまりAIが書いた文章でも、お客さまには「お店が書いた言葉」として届きます。ここを忘れないことが、いちばん大切です。

気をつけたいこと1・2:事実とのずれと同じ文章の繰り返し

① 事実と違うことを書いてしまう

AIは、それらしい文章を作るのが得意です。その反面、お店の事実を知らないまま書いてしまうことがあります。

  • 「次回は新メニューもお楽しみに」と書いたが、新メニューの予定はない
  • 「担当スタッフにも伝えます」と書いたが、どのスタッフか分かっていない
  • 「すぐに改善いたしました」と書いたが、実はまだ何もしていない

こうした小さなずれは、来店したお客さまをがっかりさせる原因になります。下書きを読むときは「ここに書いてあることは本当か」を確かめてください。「約束していることを本当にやるか」もあわせて見ておきます。

② どの返信も同じ文章になってしまう

AIに任せきりにすると、似たような返信が並びがちです。「この度はご来店いただき誠にありがとうございます」から始まる文章ばかりになります。口コミ欄を読む人には、案外気づかれやすいものです。

読む人が見ているのは「このお店はちゃんとお客さまの声を読んでいるか」です。口コミに出てきた料理の名前や、うれしかったと書かれている点に一言触れてみてください。それだけで印象はかなり変わります。

AIに頼むときは、次のような情報を一緒に渡すとお店らしい文章になりやすくなります。

  • お店の雰囲気や普段の話し方(例:「堅すぎず親しみやすく」)
  • 口コミに出てくるメニューやサービスの正しい名前
  • 入れてほしくない言葉や使わない表現

気をつけたいこと3:書いてはいけないことを書いてしまう

いちばん注意したいのが、ここです。

お客さまの個人的なことに触れない

Googleのポリシーでは、本人の同意なく個人情報を投稿することは禁止されています(出典:Google マップ ユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)。来店日や注文内容、相談の中身を返信で明かさないようにします。口コミに書かれていないことには触れないのが基本です。

とくにクリニックや治療院、サロンでは注意が必要です。返信の中で「先日の施術では」「〇〇の治療については」のように触れると、その方が来院・来店したことがほかの人にも分かってしまいます。こうした業種では内容に深く触れず、「貴重なご意見をありがとうございます」程度にとどめるほうが安心だと私たちは考えています。

厳しい口コミに言い返さない

低い評価の口コミに対して、AIが「事実と異なります」と強い調子の文章を作ることがあります。感情的な返信は、口コミを書いた本人よりも読んでいるほかのお客さまの印象を下げてしまいます。

まずは不快な思いをさせたことへのお詫びをします。次に事実を確認します。必要なら「詳しくお話を伺えれば」と店舗への連絡先を案内します。この順番をAIへの頼み方にも入れておくと安心です。

厳しい口コミほど、AIの下書きをそのまま使わないでください。少し時間を置いてから読み直すのがおすすめです。これからお店を選ぶ人たちも読む返信だと考えると、落ち着いた言葉を選びやすくなります。

口コミそのものをAIで作るのは別の話

念のため書いておくと、AIで「口コミを書く」ことは返信とはまったく別の話です。Googleは、実体験に基づかない投稿を募ったり促したりすることを禁止しています。特典と引き換えに口コミを依頼することも禁止されています(出典:同上)。AIを使うのは、あくまで返信の下書きまでにしておきましょう。

AIに頼むときのかんたんな手順

  1. 口コミの本文と星の数を、そのままAIに渡す
  2. お店の名前や話し方の雰囲気、触れてほしくないことを伝える
  3. 出てきた下書きを読み、事実と違うところや約束しすぎているところを直す
  4. 口コミに出てきた具体的な点に、自分の言葉を一言足す
  5. 声に出して読んで、違和感がなければ送る

2と3は毎回入力しなくてすむように、次のような頼み方をメモしておくと便利です。

次のGoogleの口コミへの返信を200字以内で下書きしてください。お店は住宅街の小さなカフェで、話し方は丁寧だけれど堅すぎない感じです。口コミに書かれていないこと(来店日・注文内容・スタッフの名前など)には触れないでください。新しいサービスや割引の約束はしないでください。低い評価の場合はまずお詫びをしてください。言い返すような表現は使わないでください。

お店の業種や雰囲気に合わせて書き換えてお使いください。AIによって出てくる文章のくせは違います。何件か試して、直す手間が少ないものを選ぶとよいと思います。

慣れてくれば、1件あたりの手間はかなり減るはずです。浮いた時間をほかのお客さま対応に回せるのが、AIを使ういちばんの良さだと思います。

なおGoogleの説明では、返信は公開前に審査が行われます。通常は10分以内ですが、長いと30日ほどかかる場合もあるとされています。送った後に編集や削除もできるので、間違いに気づいたら落ち着いて直してください(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。

まとめ:AIで早く書いて人が正しく届ける

口コミ返信にAIを使うことは、忙しいお店にとって心強い助けになります。ただし送られた言葉はお店の言葉です。人が確かめたいのは次の3つです。

  • 事実と合っているか
  • 同じ文章になっていないか
  • 書いてはいけないことに触れていないか

この3つを人が確かめるだけで、AIの良さを生かしながらお客さまの信頼を守れます。

口コミを読んでお店に興味を持った人は、次にホームページを見に来ることもあります。返信と同じくらい、ホームページの情報が今のお店と合っているかもあわせて確かめておくと安心です。

よくある質問

口コミ返信をAIに書かせてもGoogleのルール違反になりませんか?

返信の下書きにAIを使うこと自体を禁じる説明は、Googleのヘルプには見当たりません。ただし返信は「オーナーからの返信」として表示されます。内容に責任を持てるよう、毎回人が読んでから送るのがおすすめです。

AIで口コミそのものを書いてもらうのはどうですか?

やめてください。Googleは、実体験に基づかない投稿を募ったり促したりすることを禁止しています。特典と引き換えに口コミを依頼することも禁止されています。

クリニックやサロンで返信するときの注意点は?

口コミに書かれていない来院・来店の内容や、施術・治療の中身には触れないでください。感謝やお詫びの言葉にとどめるほうが安心です。返信を見たほかの人に、その方が利用したことが分かってしまうおそれがあるためです。

返信を送った後に間違いに気づいたら?

Googleビジネスプロフィールでは、返信の編集や削除ができます。なお返信は公開前に審査があります。通常は10分以内ですが、長いと30日ほどかかる場合もあるとされています。

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