「検索でAIが答えてアクセスが減った」に制作会社が本音で答えてみた
この記事の目次
この記事は店舗や中小企業のオーナーに向けて書いています。「Googleで検索するとAIが答えを出すようになってから、うちのホームページのアクセスが減った気がする」と感じている方です。
本当に減っているのかの確かめ方をお伝えします。減っていたとしてもホームページに今やっておきたいことを、制作会社の立場から本音でお答えします。
まず「本当に減ったのか」を確かめる
最初にお伝えしたいのは、アクセスが減った理由はAIだけとは限らないということです。季節による波や競合店の増加など、原因はいくつも考えられます。ホームページの不具合や計測の設定ミスということもあります。
確かめるときは、次の2つを見比べるのがおすすめです。
- Googleサーチコンソールの「表示回数」と「クリック数」:検索結果に出た回数と実際にクリックされた回数です。表示回数は変わらないのにクリック数だけが減っているとします。その場合は、検索結果の画面でお客さまが用を済ませている可能性があります。
- 去年の同じ月との比較:先月と比べるだけだと、季節の波を「減った」と勘違いしやすくなります。
どちらも無料で見られます。サーチコンソールを設定していない場合は、まずそこから始めるのが近道です。
サーチコンソールでは「検索パフォーマンス」の画面で期間を選べます。どの検索語でクリックが減っているかも確かめられます。お店の名前での検索が減っていないなら、あなたのお店を探している人は変わらずいるということです。減っているのが「〇〇とは」のような調べものの言葉だけなら、それほど心配しなくてよいかもしれません。
AIの回答でクリックが減るのは実際に起きていること
Googleは2025年9月に「AIモード」の日本語での提供を始めました。検索の中でAIと対話しながら調べられる機能です(出典:Google 公式ブログ)。検索結果のいちばん上にAIの要約が出る場面も、すでに珍しくありません。
米国の調査機関 Pew Research Center は2025年7月に分析を公表しています。検索結果にAIの要約が出たとき、ほかのページへのリンクがクリックされた割合は8%でした。要約が出なかったときは15%です。また要約が出た検索では、そこで閲覧を終える人の割合が26%でした。出なかった場合の16%より高くなっています(出典:Pew Research Center)。
米国での調査なので、日本の数字がそのまま同じとは言えません。それでも「AIの答えを読んで満足してホームページまで来ない人がいる」という流れは、日本でも起きていると考えておくのが自然です。
減りやすい検索と減りにくい検索がある
ただし、すべての検索で同じように減るわけではないと私たちは考えています。
- 減りやすいもの:「〇〇とは」「〇〇のやり方」のような答えが一言で済む調べもの
- 減りにくいもの:お店の名前での検索や予約・問い合わせをしたいときの検索。「この店で本当に大丈夫か」を確かめたいときの検索
お店や会社のホームページに来てほしいのは、多くの場合は後者のお客さまです。豆知識のようなブログ記事でアクセスを集めていたサイトほど、数字の落ち込みは大きく見えるかもしれません。一方で問い合わせや予約の数はそれほど変わっていないということも十分ありえます。
「ホームページはもう要らない?」への本音
結論から言うと、要らなくなることはないと考えています。理由は2つあります。
1つめは、AIが答えを作るときの材料はどこかに書かれた情報だということです。営業時間やメニュー・料金・対応できること。こうした情報をお店自身がきちんと書いている場所が必要です。それが無ければ、AIは古い情報やほかのサイトのあいまいな情報をもとに答えるしかありません。
2つめは、お客さまが最後に「確かめに来る場所」だということです。AIや地図アプリでお店を知った人は、予約や問い合わせの前にホームページを見に来ます。「雰囲気は合いそうか」「どんな人がやっているのか」を確かめるためです。ここで不安が残ると、問い合わせにはつながりません。
ホームページの役割は「たくさんの人を集める入口」から少しずつ変わってきています。「選ばれる前に確かめられる場所」へ寄ってきているというのが私たちの見方です。
アクセスが減っても今やっておきたいこと5つ
① 基本情報を正確にしてどこでも同じにする
店名・住所・電話番号・営業時間・定休日をそろえます。ホームページとGoogleビジネスプロフィール(Googleマップに出るお店の情報)で一致させるのがポイントです。食い違いがあると、お客さまもAIもどちらが正しいのか判断できません。臨時休業や年末年始の営業時間も、忘れずに更新しておきたいところです。
② よく聞かれる質問を文字でページに書く
「駐車場はありますか」「子ども連れでも大丈夫ですか」「カードは使えますか」。電話や店頭でよく聞かれることは、質問と答えの形でホームページに書いておくとお客さまの不安が減ります。AIが答えるときの材料にもなりえます。
③ 大事なことを画像の中の文字だけにしない
チラシやメニュー表を画像のまま載せているサイトは少なくありません。見た目はきれいでも、画像の中の文字は検索エンジンやAIが読み取りにくいことがあります。料金や営業時間のような大事な情報は、ふつうの文字としても書いておくのが安心です。
④ 予約や問い合わせまでの道を短くする
来てくれた人の数が減るなら、来てくれた人を迷わせないことがより大切になります。スマホで開いたときに予約ボタンや電話番号がすぐ見つかるか。問い合わせフォームの入力項目が多すぎないか。一度お客さまの立場で、自分のサイトを触ってみてください。
⑤ 見る数字を「アクセス数」から「問い合わせ数」に変える
アクセス数だけを見ていると、気持ちが落ち込むばかりです。電話の件数や予約の件数、問い合わせフォームの送信数を記録してみてください。売上に近い数字を月に一度でも記録しておくと、本当に困っているのかどうかが見えてきます。
記録は、次のような簡単な表で十分です。
月 | アクセス数 | 電話 | 予約・問い合わせ | メモ |
|---|---|---|---|---|
(例)9月 |
|
|
| 連休あり・臨時休業1日 |
(例)10月 |
|
|
|
|
アクセス数が減っても電話や予約の数が変わっていなければ、ホームページはきちんと役目を果たしています。反対に両方とも減っているなら、サイトの中身や問い合わせまでの道を見直すタイミングです。
あわてて手を出さなくていいこと
「AI検索対策」をうたうサービスを目にする機会が増えました。役に立つものもありますが、まずはGoogle自身の説明を知っておくと判断しやすくなります。
Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件や特別な最適化は必要ないと説明しています(出典:Google 検索セントラル)。求められているのは、これまでと同じ基本です。ページが検索に登録されていることや大事な内容が文字で読めること、使いやすいことなどが挙げられています。
ですから、よく分からないまま高額な対策を契約するのは待ってください。その前に上の5つができているかを確かめるほうが先だと考えています。
まとめ:減った数字より残ったお客さまを見る
検索でAIが答える場面は、これからも増えていくはずです。アクセス数が以前より減ること自体は、ある程度は受け入れるしかないかもしれません。
それでもホームページの役割は残ります。お店の正しい情報を自分で発信できる場所であり、お客さまが最後に確かめに来る場所だからです。むしろ来てくれた人にきちんと伝わるかどうかが、これまで以上に問われるようになっています。
「うちのサイトは基本情報や問い合わせまでの道がちゃんとしているだろうか」と気になった方もいるでしょう。まずは今のサイトの状態を確かめるところから始めてみてください。
よくある質問
AIの回答が増えたらホームページはもう要らなくなりますか?
要らなくなることはないと考えています。AIが答えるときの材料として、お店自身が正しい情報を書いている場所が必要です。またAIや地図でお店を知った人が、予約や問い合わせの前に確かめに来る場所にもなります。
アクセスが減ったかどうかはどこで確かめればいいですか?
無料のGoogleサーチコンソールで「表示回数」と「クリック数」を見てください。去年の同じ月と比べるのがおすすめです。どの検索語でクリックが減っているかも確かめられます。
AIの回答に出るために特別な対策は必要ですか?
Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件や特別な最適化は必要ないと説明しています。大事な情報を文字で書くことや使いやすくすることなど、これまでと同じ基本を整えるのが先です。
アクセス数のかわりに何を見ればいいですか?
電話の件数や予約の件数、問い合わせフォームの送信数を見てください。売上に近い数字を月に一度記録するのがおすすめです。アクセス数が減ってもこれらが変わっていなければ、ホームページは役目を果たしています。


