問い合わせフォームが届かないのに誰も気づかない|早く気づくための2つ

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問い合わせフォームのメールは届かなくなっても誰も気づかないまま何年も続くことがあります。早く気づくには毎日決まった時刻に試しに送って届くかを確かめることと、送られた中身をメールのほかにも控えておくことの2つが要ります。
実際に埼玉県のサイトでは問い合わせが担当の課に届かない状態が約3年続いていました。県のサイトでも気づけなかったことは、担当者が1人の会社ではもっと起こりやすいということです。
この記事ではまず届かなくなる原因を説明します。そのうえで控えと試しの送信がなぜ要るのかと、御社が続けていい側か見直す側かの分かれ目をお伝えします。
県のサイトでも問い合わせが約3年届いていなかった
埼玉県は2023年9月7日に、県のオープンデータのサイトの問い合わせフォームから送られた内容が担当の課に届いていなかったと発表しました(埼玉県の報道発表)。期間は令和2年10月から令和5年9月6日までです。
原因は送り先のメールアドレスの設定の誤りでした。送り先の設定はフォームの画面には出てこない所です。設定が誤っていてもフォームの画面だけを見ていては分かりません。
フォームが壊れても画面には何も出ません。問い合わせが来ないことは「最近は静かだな」と思われるだけです。問い合わせが来ないことは不具合の知らせにならないので、気づくきっかけを別に作る必要があります。
届かない原因はフォームよりメールの送り方にあることが多い
では届かなくなるのはどこが悪いときでしょうか。フォームのメールがGmailに届かないときについて、Googleの管理者向けのヘルプには原因はふつうフォームではなくメールの送り方にあると書かれています(Google Workspace 管理者ヘルプ・2026年10月15日更新)。
同じヘルプはSPF(メールを送ってよい送り元を決めておく設定)とDKIM(メールが途中で書き換えられていないことを確かめる署名)にもふれています。送り元の設定が足りないメールは受け取る側に疑われ、迷惑メールに分けられることがあります。
つまりフォームのプログラムが正しくても、サーバーの移転やメールの会社の乗り換えをきっかけに届かなくなることがあります。前任者が作ったフォームでは、どこの設定で送っているのかを社内の誰も知らないことがあります。
フォームを触っていなくても、メールの送り方の設定が変わると届かなくなります。
送られた中身の控えが無いと後から取り戻せない
届かなかった問い合わせはもう取り戻せないのでしょうか。埼玉県の場合は取り戻せました。発表によると問い合わせの内容がサーバーに控えとして残っていたため、県はその内容をもとに送った人へ対応しています。
ところが多くのフォームはこの控えを残していません。WordPressでよく使われるContact Form 7の公式の説明には、送られた内容をどこにも保存しないと書かれています(Contact Form 7公式の説明)。控えを残すにはFlamingoという別のプラグイン(機能を足す追加の部品)を入れる必要があります。
控えが無いフォームでは、メールが届かなかった時点で問い合わせは消えます。送った人は返事が来ない会社だと思って、ほかの会社に連絡するかもしれません。
メールが届かなかったときに問い合わせを取り戻せるかは、メールのほかに控えがあるかで決まります。
サイトが開くかの見張りだけではフォームの不具合に気づけない
控えがあっても、届いていないことに気づかなければ返事は遅れます。そこで要るのが見張りです。
サイトが開くかどうかを外から確かめる見張りは安く始められます。たとえばGoogle Cloudのアップタイムチェック(決まった間隔でサイトが開くかを確かめる見張り)は1つのプロジェクトで月100万回まで無料です(Google Cloudの料金の説明・2022年10月1日からの料金)。
ただしこの見張りが分かるのはページが開くかどうかまでです。埼玉県の例のように画面は開くのにメールだけが届かない不具合は見つけられません。
フォームのメールが届くかを確かめるには、実際に送ってみるしかありません。手で行うなら担当者が週に1回フォームから試しに送り、届いたことを確かめます。自動にするなら次の流れを組みます。
- 決まった時刻にプログラムがフォームから試しの文を送る
- 決めたメールの受け取り口に届いたかをプログラムが確かめる
- 届いていなければチャットや別のメールで担当者に知らせる
営業メールよけの確かめ(reCAPTCHAなど)が入ったフォームでは、試しの送信だけを通す設定も要ります。届いたかを確かめるにはメールの受け取り口を読む権限も要ります。どちらも一度作れば終わりではありません。フォームやメールの会社の仕様が変わると見張りのほうが止まることもあるからです。
サイトが開くかの見張りと、メールが届くかの試し送信は別のものです。
見張りと控えがそろっているかで続けていいかが決まる
ここまでの話をまとめると、届かないことに早く気づけるかはフォームの新しさでは決まりません。試しの送信と控えがそろっているかどうかで決まります。次の表で御社がどちら側かを確かめてください。上司に見せる資料にもそのまま使えます。
確かめること | 続けていい | 見直す |
|---|---|---|
フォームの試し送信 | 決まった日に人か自動で送っている | 最後に試した日が分からない |
送られた中身の控え | メールのほかにも残っている | メールにしか残らない |
届く先 | 2人以上が読めるアドレスに届く | 1人のメールにだけ届く |
メールの送り方 | SPFとDKIMの設定を誰かが確かめている | どこから送っているか誰も知らない |
サイトが開くかの見張り | 止まったら知らせが届く | 止まっても誰も気づかない |
5つとも「続けていい」側なら今のままで大丈夫です。新しく何かを組む必要はありません。
試し送信か控えのどちらかが「見直す」側なら、まずその2つをそろえてください。ほかの3つが見直す側でも、試し送信と控えがあれば届かない問い合わせを早く見つけて取り戻せます。
御社が今日やること
次の4つは今日確かめられます。どれも30分ほどで終わります。
- 御社のフォームから試しに1通送り、届くまでの時間と届いたアドレスを書き留める
- 迷惑メールのフォルダにフォームからのメールが入っていないかを見る
- WordPressなら管理画面の「お問い合わせ」とプラグインの一覧を開き、Flamingoのような控えのプラグインがあるかを見る
- フォームのメールがどこから送られているかを制作会社かサーバーの会社に聞く
やりがちな失敗は、試しの送信を担当者のアドレスからだけ行うことです。実際のお客さまと同じように会社の外のアドレスから送ってください。社内のアドレスだと届くのに外からは届かないことがあります。
営業メールに埋もれて本物の問い合わせを見落とす悩みもあるときは、営業メールを減らす見直しを別の記事で紹介しています。
弊社がやっていること
弊社はこれまで他社が作ったサイトの保守を70社ほど引き継いできました。保守を始める前には、表示と問い合わせフォームの送信を必ず確かめています。
弊社では社内の作業もいくつか自動化して毎日使っています。たとえば毎朝5時半にGA4とSearch Consoleから前日の数字を取り込み、記事ごとの読まれ方や診断と問い合わせの数を1か所で見ています。どの自動化も人が最後に確認してから先へ進む形にしています。
自動化はつないだサービスの仕様が変わったり合鍵(外のプログラムがログインするための鍵)の期限が切れたりすると止まります。そのため弊社では止まったことに気づく見張りと直しまでを自動化の一部と考えています。
一方で弊社がやらないこともあります。
- 見張りを入れれば問い合わせが増えるとは約束しません
- すでに保守の会社が決まった日にフォームの送信を確かめているなら新しく組むことはすすめません
- メールの送り方の設定はメールの会社やサーバーの会社の画面で直すことがあり、弊社だけでは直せない場合があります
弊社で動いている自動化の例は業務の自動化のページに載せています。御社のフォームに見張りが要るか迷うときは相談の窓口からご連絡ください。初回の30分は無料です。
よくある質問
フォームから送った人に自動返信が届いていれば大丈夫ですか
大丈夫とは言えません。自動返信は送った人に届くメールなので、会社の側に届いているかは別に確かめる必要があります。
試しの送信はどのくらいの間隔で行えばいいですか
手で行うなら週に1回を目安にしてください。問い合わせが売上に直結する会社は毎日決まった時刻に自動で送る形が向いています。
控えのプラグインを入れると困ることはありますか
お客さまの名前や連絡先がサイトのデータベースに残ります。管理画面に入れる人を絞り、古い控えを消す時期を決めてください。
迷惑メールのフォルダに入っていたら何を直せばいいですか
フォームのメールを送っている送り元の設定です。SPFとDKIMの設定を制作会社かサーバーの会社に確かめてもらってください。